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逆風の自動車部品メーカー、生き残りの策は「先読み投資」にあり!
逆風の自動車部品メーカー、生き残りの策は「先読み投資」にあり!7/8(水)12:26配信完成車メーカーの生産も元に戻りつつある(トヨタ自動車の元町工場=愛知県豊田市) 新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に自動車需要が低迷し、先行きも不透明感が拭えない。自動車部品メーカー各社は業績は悪化し、足元では固定費削減や投資抑制に迫られている。ただ、それでもグローバル化や電動化への対応は避けられない。そのため中長期を見据えた生産体制の確立や基幹部品の増産といった、戦略的な設備投資に踏み切る部品メーカーは、このような時期にあっても相次いでいる。
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ジーテクトは北米で自動車向けプレス部品の生産を増強する。約23億円を投じカナダ工場を拡張し、このほど生産能力を従来比で約1割高めた。さらにカナダ工場を含めた五大湖周辺に構える主要生産拠点の連携を強化する。主要顧客のホンダ以外の完成車メーカーとの取引が拡大している。そのため増産体制を整えるとともに、各拠点で生産量の変動に合わせ部品を融通し合うなどして、生産体制の効率化も進める。
カナダ工場に延べ床面積約4000平方メートルの工場建屋を増築。倉庫も新設した。加圧能力1500トンのトランスファープレス機1台、同800トンのコイルプレス1台を導入し、主にスティフナーなど車体構造を補強する小物から中物までの部品を生産する。
ジーテクトはホンダが主要顧客だが、他社メーカーへの供給も強化している。特に近年はトヨタ自動車からの受注が増加し、2022年3月期は19年3月比で20%増とする計画で、生産能力の増強を進めている。
一方、生産車種の変更や部品生産量の変動に応じた生産体制の効率化も図る。カナダ・オンタリオ州、米オハイオ州など、6生産拠点間で生産量の変動に応じ、部品を融通するなど北米全域での生産体制を最適化する。
吉沢勲取締役常務執行役員は「工場拡張や能力増強は新型コロナによる大きな影響は受けず計画通り進んでいる」と強調する。
ファインシンターはプラグインハイブリッド車(PHV)やハイブリッド車(HV)向け部品のリアクトルコアを増産する。現在生産している春日井工場(愛知県春日井市)に加えて滋賀工場(滋賀県愛荘町)でも生産を開始し2020年度中をめどに19年度比2倍に拡大する。さらに21年度は同3倍以上とする計画で、電動車関連の需要増に対応し、持続的な成長につなげる。
現在、リアクトルコアは春日井工場で生産しているが、新たに滋賀工場でも生産を開始する。20年度中めどに2工場で月産30万個を計画する。21年度も、両工場で増産対応を進める構えだ。将来的には、中国など海外での生産対応も視野を入れている。
リアクトルコアはモーターを制御するインバーターの構成部品で電圧を制御する。金属の粉末を金型に入れて圧縮して固め、高温で焼結して精度の高い部品に仕上げる、粉末冶金技術を活用した。